アイドルのいるお店

働くアイドルに優しすぎる!? アイドルやモデルがメイドとして給仕する「ドールハウス」に行ってみた

どこにでもいる女の子が夢を掴んで駆け上がっていくシンデレラストーリーが大好きだ。

誰にも知られていなかった女の子がいつしか熱狂の渦を作り、大勢の心の支えになり応援される存在になっていく。観客側にいたその子がいつしかステージに立ち、誰かの大切な人に成長していく。そんな漫画みたいな話が現実に起きることに感動を覚える。でんぱ組.incなどはまさにその好例だ。

もちろんそこに行き着くためには明るい道を歩むだけではなく、葛藤や妬みなども間違いなく含まれている。それでもそれらの影の部分をステージには出さず、力強い輝いた姿だけを見せる精神力に同じ人間として尊敬の念すら抱く。



そんなシンデレラストーリーの真っ只中にいる少女が秋原町のとあるお店で働いている。それがDollyKiss(通称:ドリキス)というグループに所属する白咲ゆかさんだ。彼女はアイドルに憧れて北海道から上京し、メイドとして働きながら、自分が応援していたアイドルグループに2017年の10月から所属することになった。今まさにアイドルへの道を歩み始めた一人だ。

今日はそんな白咲ゆかさんが働いている「ドールハウス」というお店を紹介しながら、彼女がアイドルになったキッカケなどを聞いていきたいと思う。

前置き

申し遅れましたがライターをやっているmegayaと申します。ある日地下アイドルまとめブログさんから、僕宛てにこんな連絡がきた。

「アイドルが働いているお店って実はたくさんあるので、そこに取材しにいく連載をやりませんか?」

僕は地下アイドルの記事をたまに書くようになって、多少は勉強はしているつもりだったのだけど、「アイドルが働いているお店」があるというのを知らなかった。

そもそもアイドルがお店で働くとなると、そこにファンが来てしまい問題になることもあるんじゃないか?とか勝手に心配してしまう。うーん、まだまだ勉強がたりないな…!

ということで、そういったお店の存在すら知らなかった僕であるが、これから月1で「アイドルが働いているお店」を紹介していきたいと思う。アイドルにそこまで僕は詳しくないのですが、だからこそ客観的に見られるものもあり、伝えられることがあるんじゃないかと思う。

ということで、ここから月1で半年ほどお店を紹介していきます。よろしくお願いいたします。

アイドルの働くお店 第一弾は「ドールハウス」

第一弾は冒頭で書いたように、DollyKissの白咲ゆかさんにフォーカスをあてながら、「ドールハウス」というお店を紹介したい。

ドールハウスというお店に行って話しを聞いて何よりも驚いたのは、お店自体がアイドルの働きやすさを主体に考えられているということだ。

よく悪い噂で「アイドルにはたいして給料も出さずに、ひたすらライブをさせられる」みたいな後ろ暗いような話しを耳にすることがあると思う。しかし、ドールハウスはで「ライブ活動が入ったときに急に休むことができる」ような体勢を店側でとっていたり、アイドル自身がファンを増やしやすいような仕組みがされていて、働きやすい環境作りがされていた。こんな良心的なお店もあるもんだなぁ…!

と、早速お店を紹介したいのだけど、内容に行く前に最後にもう一つ。この企画をやると取材したお店には僕は二度と行けなくなる。正確には行かないと決めている。

なぜなら取材後にお客として行ったとして、変に気を遣って接客されるのも嫌だし、「この店に取材したものですけど?」みたいな横暴な態度に僕がなる可能性もあるからだ。何よりも取材しあとにお店に行って、アイドルの方に僕が気軽に話しかけるなんてズルいじゃないですか…

僕はときどき秋葉原のメイド喫茶に行くこともあるので、この企画で記事を書く度に行くお店がどんどん減っていくわけだ…お店を紹介したあとは僕の代わりにみなさんぜひ行って楽しんでください…そしてよかったら感想をください…俺の屍を越えていけ……!

ドールハウスはアイドルやモデルが多く働く…?

ドールハウスは6月30日にオープンしたばかりのメイド喫茶で、秋葉原のAKB劇場があるドン・キホーテの向かい側の歩道を道路沿いに少し歩いたところにある。


(店内はカウンターが7席、4人がけのテーブルが3席というシンプルな作りだ)


(こちらが本日案内してくれるドリキスの白咲ゆかさん)

開店して間もないときに行ったのにも関わらず、カウンターはすでに満席だった。お店のコンセプトは「かわいい女の子が好きな悪い魔女がつくった人形のおうち」というものだ。正直言ってコンセプトには色々とツッコミたいところはある世界観だが、まずはお店を体験してみよう。

ここからは本日の主役でもある白咲ゆかさんにシステムの説明をしてもらいながら、お店の魅力を聞いていきたいと思う。

(メニューはオーソドックスな飲み物類とおつまみがある。他にも一緒にゲームができるアクティビティなどもいくつか用意されているようだ)

———————— このお店の特徴ってどんなところでしょうか?

「コンセプトが『悪い魔女がアイドルやタレントやモデルの女の子をさらってきて自分のドールハウスで働かせている』というものになっていて、働いているのが芸能の卵のような人が多いのは他のお店にはないかなと思います!」

———————— たしかに周りを見るとかわいい子が多いですね…! どんな職業の子がいるんでしょうか?

「アイドルやタレントやコスプレイヤーさんもいますし、舞台役者さんもいて本当に色んな人がいます」

正直あまりこういうこと言いたくはないのだが、お店に入ってがっかりするメイド喫茶も世の中には存在する。ドールハウスはさすが芸能の卵の女の子たちがたくさんいるということで、右を見ても左をみてもかわいい。かわいいの交通渋滞が起きている。

ドールハウスではアイドルを引退した方が働いているときもある。「ライブでもう姿を見ることができなくなった…」という人と話せるチャンスがあるのだ。ファンにはたまらない…!

———————— 他にお店のおすすめポイントはありますか?

「アイドルのライブの物販ではだいたい1分くらいしか話せないんですけど、ドールハウスでは一回の注文で5分くらい話せるのでそこはすごくお得かなと思います。あとはいつもの素のままでやっている人が多いので、すごくみんな話しやすいと思います!」

———————— たしかに白咲さんとは初対面ですが話しやすいというか、自然体だなーと思いました

「話しやすいってお客さんにもすっごく言われます!(笑)」

———————— 接客業としてはかなりの強みですね、白咲さんは接客は自分で得意な方だと思いますか?

「得意かわからないですけど、接客はすごく好きです。このお店の前もメイド喫茶で働いていましたし、今まで接客業しかやったことないくらい好きです!」

(ドールハウスは1時間600円のワンドリンク制になっている。一日ずっといるお客さんもかなり多いのだとか)

———————— 「人と関わる職業が好き」ってすごくアイドルに向いてますね。アイドルとお店を両立させると、人と関わってる時間が長いですけど大変に感じたりはしませんか?

「う〜ん…大変なんですけど、お店もアイドルもほとんど素の自分でやっているし、ほんとに人と関わるの好きなんですよ!自分でもおかしいんじゃないかなって思うくらい(笑)」

———————— アイドルの時とお店の時で、オン/オフを分けていないんですね

「素の自分でいるのが一番楽なんです(笑)
前のメイドカフェが今と違って萌え萌えな感じで、『私もキャラつくった方が良いのかな?』って悩んだときもありました。そのときに尊敬している先輩に相談したら『そのままでファンの人と話して交流深めた方が楽しいよ!もう少しラフに接してみたら?』と言われました。そのときから私の接客に対しての考えが変わりました」

あとでドールハウスの運営さんにも話しを聞いたのだが、白咲さんの人と接する力を「天賦の才だ」と認めていた。それは言葉だけでなく実力としても証明されており、以前務めていたメイド喫茶でもやはり人気があったようだ。海外の人がお店に来たときには、翻訳アプリを使ってまで一生懸命に対応する誠実さも持ち合わせている。アイドルにならなければドールハウスの店長をお願いしようとまで運営は考えていたらしい。

さらにすごいのがTwitterのファンへの対応だ。Twitterで心を痛めてしまうアイドルもいる中で、白咲さんは丁寧にすべてに返信をしている。これに関しても「好きでやっているので楽しいですよ!」と笑顔で言っていた。本当に性格がアイドル向きなのかもしれない。

白咲さんと話していると距離のつめ方が絶妙に心地良いのだ。敬語かと思えばときどき急にタメ口になったり、真面目な人かと思いきや、

「1600円と500円の組み合わせでよく注文があって、それをすぐに計算できないんです…だから『1600円と500円がきたら2100円だ!』って暗記しました」

という抜けた一面も見せるのだ。カワイコぶりっ子ではなく性格もさばさばとしており、「メイドとしての作られた白咲ゆか」ではなく「メイドをやっているだけの白咲ゆか」という感じで自然に話すことができる。

……と…危ない、危ない。書いていて白咲さんを褒める文章だけでこの記事を埋めそうになっていた。良い子すぎて魂もっていかれるところだった。

北海道からアイドルになるために上京。そして憧れのアイドルグループへ

(先ほども言ったように飲み物をもってきても「萌え萌えきゅん」などはない。さらっと持ってきてくれる)

———————— そういえば、ドールハウスで働くキッカケは何かあったんですか?

「私はもともと所属しているドリキスのファンだったんです。それでドリキスのメンバーがこのお店のことをツイートしていたんです。それで働いていればアイドルになれる可能性があるって書いてあったのですぐに応募しました」

———————— ということはこのお店が出来たのは6月だから、アイドルになったのは最近だったんですね

「はい!私は今年(2017年)の10月にドリキスに入ったので、アイドルにはなったばかりです。本当はもっと早くアイドルになりたかったんですけど、北海道に住んでてなかなか両親が許してくれなくて…」

———————— 北海道から上京!? そこから好きだったグループに入るなんて夢みたいですね

「だから今は毎日楽しいです。それに見ていたアイドルの人たちの大変さがわかりましたし、逆に大変だからこそみんなにもっと何か力をあげられたらいいなって思います」

———————— アイドルになったばかりで生活リズムも変わって大変だと思うんですけど、お店との両立は大丈夫ですか?

「昔から体力だけには自信があるので、まだ一回も休んでません(笑)
それに急にライブが入ったとしても、ドールハウスの場合は急遽休むことも出来るのですごく働きやすいです」

———————— 急に休めるのはすごいですね! アルバイトとしてはかなりの好待遇だ…

「普通はシフトがでたら休めないですもんね! これも妖精さんたちが頑張ってくれているおかげです!」

———————— 妖精…?

「あ…運営さんのことです!一応そういう設定なので(笑)」

さすがアイドルやタレントやコスプレイヤーが多く働いていることだけあって、それぞれの都合に合わせた働きやすい環境を用意しているようだ。さらにすごいのが1ヶ月に1回しか出勤しない子がいたり、「午後ライブがなくなって急に2時間だけ働きたい」といった場合にも対応しているとのことだ。まさにアイドルのためのアイドルによるアイドルのお店なのだ。むしろ僕もここで働きたい。

白咲さんのように、ここからアイドルデビューした子はもうすでに何人もいるようだ。むしろドールハウスに働きにきて、自分の所属しているグループに女の子をスカウトしに来る子もいるくらいだそうだ。ヘッドハンティングだ。それを許容しているお店側もすごい…!

アイドルとお店を両立するというのは一体どういう生活リズムになるのだろうかと気になったので、白咲さんに一日を円グラフにして書いてもらった。

(こちらが白咲さんのとある一日。この他にもレッスンが入る場合もあり、そうなったときは一日かなり忙しいようだ)

———————— ライブが終わったあとに、ドールハウスにすぐ働きにくることもあるんですね

「私の場合は週3くらいで入っているのでけっこうあります。ライブ後やライブ前にドールハウスで働いていることは多いです。でもそうすると、ライブの後にそのままファンの方がドールハウスに来てくれたりもするんです」

———————— あーそれは良いですね!さっきまでステージにあがっていた女の子が目の間に…って、テンションあがりますね

「だから一日中いてくれるファンの方も多くてうれしいです!
逆にドールハウスに来てたお客さんが興味をもってライブに来てくれる場合もあります」

話を聞いていると、ドールハウスはアイドルのファンを増やしやすく、お店とアイドルがwin-winの関係になっているみたいだ。むしろアイドルグループの運営が安心してアイドルが働けるように、ドールハウスと提携している場合もあるようだ。たしかに運営としては隠れてバイトされて問題になるより安全だ。

さらにドールハウスでは働いている女の子たちが自分たちで考えた企画を実施することができる。自分がやりたいことがやれるというのも、働く女の子たちの楽しみになっていいかしれない。

———————— 名残おしいのですがもう時間になってしまいました… 最後にきてくれるお客さんに何か一言ありますか?

「アイドルさんとかコスプレイヤーさんとか色んな人が働いているカフェなので、普段とは違った女の子たちとお話することができます!少しでも気になった方がいたら足を運んでくれるとうれしいです。話しやすい子も多いのでぜひきてください!」

最後まで100点満点の回答です、ありがとうございました。白咲さんが陽の存在すぎて心が浄化された…!

ドールハウスに行ってみて

(他のお客さんと接しているときも常に笑顔で、周りのお客もそれにつられて笑いが絶えない雰囲気だった)

ドールハウスはまさにアイドルのためのお店という印象が強かった。これは裏の話なのであまり書けないが、給料体系などもしっかりしていて驚いた。アイドルのために働きやすい環境作りを徹底しているようだ。

働きやすい環境だからこそ、実際に働いている女の子たちも自然な表情で無理をしている感じがないように見えた。それにつられて来ているお客さんもリラックスして過ごしているアットホームな印象をを受けた。他の女の子とも少し話したのだけど、本当にみんな接しやすく居心地がよかった。

アイドルさんはもちろん一般キャストも随時募集中なので、可愛いお店で可愛いメイドさんと一緒に働きたい方は公式Twitterからぜひお問い合わせをしてみてほしい。

ドールハウス

(帰りも徹底してお見送りしてくれた。「これはファン増えるわ…」と帰りに一人でつぶやくほど感心した)

また、ドールハウスはアイドルライブに行ったことがない人にもおすすめだ。アイドルのライブは初見はものすごく行きにくいと思う。どこでやっているのかもわからないし、そもそもライブ会場に行くのが怖いのだ。なのでそういった人はドールハウスに一度行ってみて、働いているアイドルの女の子やお客さんと話して色々と聞いてみると良い。実際にお客さん同士で仲良くなってライブに行く人が何人もいるそうだ。

ということで、僕もお店で話してみて、白咲さんが一体ライブでどんな姿でステージに立っているのか気になったので、数日後に新宿で行われたライブに実際に行ってみることにした。

ステージに立つとアイドルの顔へ

ドールハウスに行った数日後に行われた「クリスマスLIVEプラス@新宿BLAZE」にドリキスを見にいったときに僕は驚いた。ステージにメンバーがでてきたときに、最初に僕は白咲さんを見つけることができなかったからだ。


(※ ライブ写真は当日撮れない状況だったので、別ライブの写真です)

理由は単純なものだった。ステージに立っている白咲さんの顔が全く違うように見えたからだ。彼女は10月からアイドルになったばかりだが、やはりステージに立った瞬間にアイドルの顔になっていた。本人は「お店とライブでも変わらない」と語っていたが、それはあくまで話し方や彼女の心持ちであって、ステージ上の彼女は完全なアイドルの顔だった。

それからステージ上の白咲さんを見ていて気になったのは、ファンの目を見てしっかりと頷く回数が全メンバーの中で圧倒的に多いということだ。「人と関わるのが好き」という彼女の個性がステージ上でもしっかりと発揮されているのだ。


(※ ライブ写真は当日撮れない状況だったので、別ライブの写真です)

僕はアイドルの資質というのが何かはわからないが、白咲さんが持っている「人と関わるのが好き」というのは立派な才能であり武器なんだと感じた。彼女のお店での接客や、ステージ上の姿を見てそれを確信した。

北海道から東京へ、メイド喫茶から憧れのアイドルへ。白咲さんのアイドルとしての道はまだ始まったばかりだ。彼女のこれからのシンデレラストーリーを見届けたいと思ったら、ぜひドールハウスに行ってみてほしい。ライブでもお店でも24時間アイドルの彼女をきっと応援したくなるはずだ。

取材協力: 白咲ゆか(@dollykiss_yuka)

お店情報

ドールハウス

〒101-0021 東京都千代田区外神田3丁目15−6

■ホームページ:
ここは悪い魔女が作った人形のおうち「ドールハウス」

■Twitter:
ドールハウス

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ママチャリ日本一周してからwebエンジニアやってます。 デイリーポータルZや価格.comマガジンなどで記事を書いています。三浦新聞( http://www.miura-news.com/ )というサイトの編集長もやっています。書いた記事一覧→ https://goo.gl/fCPd3l
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