レポ / インタビュー

【炎上なんてクソ食らえ】ハウプトハルモニー ラストコンサート「Danke schÖn」現場レポート

ハウプトハルモニーは6月4日、渋谷チェルシーホテルで、ラストコンサート「Danke schÖn(ダンケシェン)」を開催した。ハウプトハルモニーは「仲睦まじく行儀良く、音楽に遊ぶ『戦国時代を知らないアイドルたち』」を標榜する5人組グループで、UK ROCK、SKA、EMO、ANORAK、BALKAN BEAT、BLUEGRASSなどに根ざした良質な楽曲で人気を集める。メンバーは寺田珠乃、相沢光梨、倉木七海、一花寿、銀りん。今年3月、メンバーの解雇処分を受け、「私達にはこれ以上明るい未来を描く体力が残っておりません」と解散を発表した。

ライブ当日、会場には約300人のLadies & Gentleman(ハルモニーのファンの総称)が詰めかけた。昼にGANG PARADE、Party Rockets GTを招き、主催公演「Kindergarten」を開催。また前日深夜に有志によるDJイベントが行われたためか、会場に入ると既に汗と酒の匂いが漂っていて、異様にハイテンションなアッパーな人と、落ち込んでいるダウナーな人が見受けられた。いつものようにベン・フォールズ「The Secret Life Of Morgan Davis」が掛かると、メンバー5人が華麗に登場しライブがスタート。「やがて柔らかなひかりとWaltzを」「ナイトプロポーズ」「ボウ」と立て続けに披露。「ハウプトハルモニーの大脱走」では音声トラブルで音楽が止まる中、ファンの声援にあわせてメンバーが熱唱。「(the garden was alive with) all sorts of flowers」「Kidnapper Blues ~人攫いの憂鬱~」では、リフトやモッシュが起きて、会場は早くも大きく沸いた。

MCでは珠乃が「目標は泣かないこと」と話すと、泣く泣かないでトークに花が咲く。りんは「今日は泣きに来た」と力強く宣言。「yearning」「FORTUNE LOVE」「Tempting 10 Attempts of Temperance」「Tokyoite Grim Reaper」「LAST CHANCE (幸福の妨げ)」「呻吟 in the rain」「ソプラノ・オーバードライブ」と会場を熱狂の渦に巻き込む、激しいパフォーマンスで魅せる。会場の酸素は無くなり、フロアは洋服を絞れば水が滴るほど蒸し風呂状態。あまりの暑さにメンバーもぐったりしていると、寿がメンバーに水を持ってくる。「HER HERB’S HARVEST」「Until,her voice caused a lump in my throat.」「HOLY HOWLIN’ RHAPSODY」と5人はラストスパートに突入。最後のライブにも関わらず珠乃は「驚くほど終わる実感が無い」とつぶやき、「来週みんな集まりそう」と笑いを誘った。

メンバーがステージを去ると、会場には「アンコール」が鳴り響く。それを聞いたメンバーが戻ると、「almsgiving」をエモーショナルに歌い上げる。りんは昨年7月にオーディションを受けたが合格が確定せず、3ヶ月もの間その不安定な状態のまま練習に参加することになり、大変だったと振り返った。りんは寿と「FORTUNE LOVE」の振り入れのときに出会ったが、初めてか2回目かで会話に齟齬が生じる。実はりんは、寿が前のグループに所属していたときに出会っており、当時チェキも撮ったと衝撃告白。ハルモニーの楽曲に惹かれてメンバーに参加したという寿は、グループが変わっても付いてきてくれたファンがいて、「ハルモニーがあっているね」と言われたとき嬉しかったと語った。七海はオーディションを受けた当時、そのことを親に教えておらず、東京に行く加入前日に伝えたというエピソードを披露。加入するまでは流されるがままに生きてきたが、初めてやりたいことができ、活動する中で成長できたと話した。そして解散翌日、実家の大阪に帰るという。加入当時、歌もダンスも自信があったというぴっちゃんこと相沢は、プロデューサーにボロクソに言われ、出来ないことを実感したと当時を回想。しかし、そこから初めて努力をするようになり、だんだん褒められるようになったと明かした。プロデューサーからは常に回りを集中しろ!などと指摘されることも多く、人間として成長できたと感慨深そうに語った。珠乃は加入当時はセンター余裕でしょと思っていたが、歌割りがほとんどなく驚愕。そして、活動し様々な人と出会うことで成長できたと振り返り、そして自らを他の一推しが他にいる「永遠の二番手」だったと自虐的に語った。

初めてステージで披露したという「アソーテッド・プラチナム・スカ」に続いて、「パラレルワープ」「Fat,Rich&Gorgeous!!!」「唇を奪いにいく」「Caterwaul」と畳み掛けた。リフトで上がりながら号泣している人も姿も。珠乃は「3年やってこれたのは皆さんのお陰で、欲をいえば炎上じゃなくて売れたかった。炎上なんてクソ食らえだよ!」「いつの時代も叩かれたけど、大好きだった」と思いを打ち明け、「ハウプトハルモニーを好きでいてくれた皆さんが誇りです」と感謝の気持ちを述べた。そして、最後にハルモニーが解散した後の世界を描いた「瞬きのsummerend」を歌い、オルゴールのゼンマイ仕掛けの人形のように揺れた彼女たちは動きを止めた。

ハルモニーは特に大きな事務所に所属しているわけでもなく、後輩グループもない。おそらくハルモニーの名曲の数々は今後、歌い継がれることも無いだろう。だけど、ハルモニーのラストライブを体感した人は、強く強く記憶に刻み込まれたに違いない。この5人のアイドルがいたことを。彼女たちの想いがわずかでも伝わればと思い、レポートを投稿する。プロデューサーのあーりーさんに対しては正直複雑な思いはあるけれど、唯一無二の楽曲と素敵な5人のメンバー、そして茅ヶ崎りこ、芹奈莉温、小川花、アイハラエミ、瀬戸ゆりなに出会わせてくれてありがとうと今は伝えたい。

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