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TJ(トーンジュエル)
TJ(トーンジュエル)。
彩瀬千聖、横庭綾音、糸永有希の3人からなるアイドルグループだ。
(写真左から横庭綾音、彩瀬千聖、糸永有希)
(TJで一番のキャリアを誇る彩瀬千聖。実は研修生時代に一度、解雇されたこともある苦労人である)
(アイドルをはじめたきっかけが、「自分は可愛いかもしれない」と思ったからという横庭綾音。TJの中でも一番アイドルらしさを感じさせる)
(小学校高学年から高校2年まで引きこもりの生活を続けていた糸永有希。そんな自分を変えるためTJのオーディションを受け、アイドルとして輝き始めた)
ライブアイドルのイベントに足を運ぶファンであれば、一度は聞いたことのあるグループ名かもしれない。
それもそのはず。
元をたどれば、2012年2月に結成されたトーンジュエルに端を発する。同年、8月にはメジャーデビューした正統派アイドルである。
メジャーデビュー、ワンマンライブの成功など順調に思われたが、メンバーの卒業などを受け、トーンジュエルは2013年10月に活動休止となる。その後、紆余曲折を経て2014年にトージュエル研修生として活動を開始しするも、同年11月に活動休止。前事務所から現在の事務所へ移籍する形で、2015年にTJ(現状のアルファベット表記/トーンジュエル)として正式に活動を始める。
かなり駆け足ではあるが、振り返ればTJで2年、トーンジュエルから数えると6年目となるグループなのだ。
毎月のようにライブアイドルが誕生し卒業、解散していく昨今、6年というのはかなり長い部類に入るといっていいだろう。
もっとも、現メンバーで結成当初の6年前を知る人物はいない。
唯一、彩瀬は2013年に加入しているので、5年目となるわけだ。
「お父さんが私の知らないうちにアイドルオーディションにあたしの書類を送ってたみたいで(笑)」
きょうび、驚くくらいのアイドルとしての模範解答ではあるが、とにかくそれにより彩瀬のアイドル人生はスタートした。
「TJってメジャーデビューしてるんでしょ?」
そんな彩瀬を中心とするTJに関して、あまりよく知らないライブアイドルファンの間で話されていることがある。それは、「TJってメジャーデビューしてるんでしょ?」ということ。
これは正式にいうと間違いとなる。メジャーデビューしたのはトーンジュエルであり、今のTJとしてはまだメジャーデビューはしていない。
ややこしくなるが、トーンジュエルとTJはそういった意味ではまったく違ったグループとなる。とはいえ、TJは楽曲などを継承しているし、トーンジュエルの系譜であることは間違いない。
代名詞のトーンリング
そして、TJといえばやはりトーンリングに触れないわけにはいかないだろう。
もはやTJの代名詞ともいえるトーンリングは、ピンキーリングに仕込んだマイクのことだ。だから、常に手のリングを口に近づける形で歌うことになる。
(現在開発中のトーンリングはワイヤレスとなり、さらに軽量化される予定)
この変則的な歌い方は大変ではないだろうか。
「『大変じゃないですか』ってよくファンの方にも言われるのですが、実はハンドマイクより断然軽いし腕も疲れにくいし、両手も使って自由にダンス出来るのでかなり楽です。
トーンリングは私達の最強の武器なのでこれからも大切にして行きたいです」
一番のキャリアを誇る、彩瀬そう笑いながら答えてくれた。
(ハンドマイクより軽く、ダンスなどの表現方法も変化に富んでいるのがトーンリングの特徴だ)
確かに軽い。そして、さらなる軽量化のために、現在新型のテストが進められているそうだ。
トーンリングの利点はそれだけではない。メンバーの糸永にとってはこんな利点がある。
「私の場合は手汗がめっちゃひどくてライブ中でも、そうでなくても(笑) すごいダラダラとなってくるので、その時にハンドマイクだと、本当にひどいときは投げちゃいそうでめっちゃ怖いので。ポイっとなる危険のないトーンリングは私にぴったりなんですよ(笑)」
(トーンリングを口に近づける形で歌うのがTJのスタイル)
実は手汗対策にもなっていたトーンリング。今後もダンスの動きや歌い方にどういった変化をもたらしてくれるのか目が離せない。
大事なのはファンとの距離感。
そんなTJのメンバーがもっとも大事にしているのがファンとの距離感だという。
チェキやCD購入などでファンがアイドルとお話したり、握手ができるいわゆる「接触」と呼ばれる特典会。この特典会にもTJには確固たる理念がある。
「いわゆる擬似恋愛商法のようなことは絶対にやらない様に厳しく指導しています。もちろん、ファンの方がタレントを好きになってくれることは嬉しいことですし、それで通ってくれることはありがたいですが、あくまでもアイドルであって、ファンの恋人ではないんです」
こう語るのはTJのプロデューサーであり、TJ PROJECTの総括を行う冠野亮太。冠野による指導はSNSの使い方、ファンとのやりとりなど徹底している。時に物販中にですらメンバーに対して怒ることがある。
「特にファンに対して負の感情を露にしてしまうときは注意しますね。たとえば、ライブでミスが出て落ち込んでいたとします。ライブ後の物販時にまでそれを引きずって笑顔がなかったら、正直、『来なくていい!』そう注意します。もちろん、(物販中に怒ることは)賛否はあるのは理解していますが、今のTJにはそれが必要なので……」
ここまで徹底されていれば当然、メンバーも考えるようになる。その点を彩瀬に聞いてみた。
「他のアイドルさんのツイートを見ていると、『好き(ハート)』みたいな言葉が並んでいるんですけど、その辺はあえてセーブしているというか、言わないようにしています。ファンとの距離は近いけど、親近感……すごく身近な存在になり過ぎないように気をつけています。やっぱり勘違いしてほしくないんです」
(「つらいときや落ち込んだとき、SNSでファンからのリプを見たり、ブログのコメントを何回も読み、気持ちを切り替えてます!」そう語る彩瀬は人一倍ファンへの感謝の想いが強い)
「勘違い」、つまり恋愛と錯覚させないように気をつけているというのだ。そして、それは彼女たちの情報発信の場であるツイッターやブログなどSNSにも及ぶ。
「(ツイッターは)すごく気をつけてます。内容を(運営に)確認してもらっているのもあるけど、ファンの方に(恋愛とは)勘違いしてほしくないんです。私のアイドルとしてのパフォーマンスを見てもらいたいので。もちろん、ファンの方とお話しするのは楽しいし大好きです。私たちはファンミーティングっていう、ファンの方と意見交換をするオフ会みたいのをやっているんですが、そういったところでも、ああ、私たちのことこう見えているんだ、こうすればいいんだって、ファンの方からの意見がすごく参考になるんです。だからこそ、(SNSは)考えてやってます」
とかく問題になりがちなツイッターによるメンバーのツイートやファンに対する返信。実はこれらアイドルからの文章(ツイート)にも運営による確認が入っていることをあかしてくれた。
もちろん、これらに関しては各アイドルの「売り出し方」など、様々な観点があるであろうが、少なくとも、TJはそう意識しているというのがよくわかる。
ライブアイドルとしての立ち位置
同時にメンバーは自分たちのライブアイドルとしての立ち位置も各々常に考えている。それぞれにライブアイドルはどういった存在なのか、そしてアイドルとしてのやりがいを聞いてみた。
糸永の答えはこうだ。
「ライブアイドルは……頑張ってる存在だと思います。気軽にできるとか、誰でもなれるとか、なんかイメージとして悪そうなのかな? って周りから感じるんですけど。他のライブアイドルさんを間近で見てて私はそうじゃないと思うし、みんな汗だくになって頑張ってる姿みると、私たちもこう頑張れてるのかな? って奮起できるし。それになんといっても達成感ですね。
たくさんの方が見てくれたライブっていうのもそうなんですけど、パフォーマンスとして、よく出来た日とそうでない日ってやっぱりライブだし、生物だからそういう面ってあると思うんです。だからこそ、そんな時こそ達成感のあるライブは、ステージ立っててもメンバーとの一体感を感じることがあるので……。うん。メンバーとの一体感、お客さんとの一体感が交わった時こそ、達成感のあるライブがライブアイドルならではだと思います」
(「将来的には『あの時から応援してたんだぞ』と自慢のできるグループにしたいです!」。糸永はファンのために常に上を目指している)
ライブアイドルについてまわる悪しき印象。奇しくも横庭もそれに関して触れている。
「地上で活躍しているアイドルと比べるとライブをやらせていただいている回数も多くて、結構こまめに会えるっていうイメージがあると思います。だから、毎回行かなくてもいいやって思われてしまう時もあると思うし、どうせ、すぐ辞めるじゃんと、思っている人も現状、少なくないと思います。
ライブアイドルは回数が多い分、ファンとの絆も深まりやすし、私たちが元気を与えるだけではなくて、来てくれることで私たち側も感謝の気持ちと喜びで、頑張らなきゃ! って私たちもパワーをもらっています!
だから……ライブアイドルとはファン一人一人の存在が大きくて、今は身近に感じるているけど、みんなで一緒に夢を見て、みんなで一緒に叶えていく、みんなで一緒に進んでいく、人生を一緒に歩んでいく存在です!
だから、ファンのみんなが笑顔で私たちのライブを見てくれていた時は最高ですね。楽しいって、思わせることが出来たんだなぁと思います。
一番は大きなステージでのライブですね! ファンもそこに向けてパワーを出してくれて、私たちもそこに向けてパワーを出して。ファンと私たちがひとつになって、素敵な空間を作れた時が、TJに入れてよかったって思います! 最近でいうと7月2日に行なったフジさんのヨコでのステージがそうでした!」
(1日のはじまりは、SNSに寄せられるファンからのメッセージを読むこと。「朝から幸せな気持ちになれます!」という横庭もまたファン想いのアイドルである)
ライブ回数の多さ、そしてファンとの距離の近さ。やはりそれこそがライブアイドルならではの事柄であることがよくわかる。
「地上アイドルだと、パフォーマンスを観るのにすっごい遠くからだったり、物販でも握手が5~10秒なのに対して、ライブアイドルは目の前で好きな場所で観れるし、物販での握手が1分半だったり、ライブアイドルの方が身近に感じてもらえる。ライブがある日はいつでも会いに行こうと思えば会えるので、やっぱり今すぐ元気をもらいたいって思った時などに元気をもらいに行ける場所だと思います!
あと、ライブアイドルはファン、メンバー、スタッフさんみんなで一緒に大きくして行けるものだと思います!!
その過程でいろんなことがあると思うけど、大きなステージに立てた時の嬉しさも半端ないし、何より応援してくれてるみんなに恩返しが出来るって思います。そういう積み重ねでどんどんライブアイドルは大きく成長して行くものだと思います。
やっぱり、アイドルって大変だしいろいろあるけど、素晴らしい経験も沢山出来るしアイドルになって良かったなって思います」
彩瀬の言葉にある「成長」こそがやはりライブアイドルの大きな魅力のひとつなのだろう。
(目でビームを出し、ファンを釣る! という彩瀬。※もちろん、効かない人もいるそうです)
「レベルの違いを見せ付けたい!」
「ワンマンではレベルの違いを見せ付けたいんです!」
そう話した糸永は自信に満ち溢れていた。
(3人の利点を活かし、ステージを広く使うのもTJの特徴のひとつだ)
日々のライブで集客を増やし、大きなステージにステップアップしていく。その中で、ライブアイドルが行なうイベント、ターニングポイントのひとつにワンマンライブがあげられる。
普段、アイドルが複数出るライブイベントが主体の中で、自分たちだけの集客でイベントを成立させなければならないのがワンマンライブ。
TJも7月25日(火)にZirco Tokyoでのワンマンライブを控えている。
(※原稿執筆時 2017年7月13日現在)
このワンマンにあたり、TJとしての大きな変化は「レッスン」にも及んでいる。
「これまでは、ずっと彩瀬が先生をやっていたんです。振り付けを含めて、横庭、糸永に先輩として指導してきたんです。二人が最低限のレベルに達したと判断して、この5月からプロのダンスの先生に付いてもらうようになりました。だからレベルは一気にあがっていると思います」
冠野が運営として、いわゆるアイドルとしての資質を見抜く期間、メンバーは自主練のような形で歌と振り付けを覚え、最低限の基礎を身に付け、ようやくプロの指導を仰げるようになったわけだ。
当然ながら、プロの指導の元でダンスの技術は日々、飛躍的に向上しているという。
この歌を聴いてほしい。
そんなワンマンライブを迎えるにあたり、メンバーに自信の思い入れのある曲名を聞いてみた。
彩瀬千聖
・曖昧コントラスト
・PASSCODER
「『曖昧コントラスト』は定番なんですけど好きです! 個人的な好みだとテクノ系の曲がすごく好きなので、『PASSCODER』って曲が好きですね。2年間やってきて、まだ5回しか披露してない、いわば幻の曲ですね(笑) それもワンマンでやるかも!」
横庭綾音
・ネバーランド
「デビューライブの3曲の後に披露させてもたった曲なんですが、そのかっこいい世界観が好きですね」
糸永有希
・BLOOMING SONG
「デビュー前に千聖に教えてもらった曲なんです。これを聞くとあの頃を思い出して、やっぱり思い入れがありますね」
ファンの方にはぜひとも、メンバーお勧め曲に注目してもらいたい。
目標
最後に彩瀬に直近を目標を聞いてみた。
「ワンマンライブで今応援してくれてるみんなや関係者の皆さんに、TJはやっぱり凄い! 応援しててよかったな。この子達を信じていて良かったな。と少しでも思ってもらいたいです! 大成功したら、地元が福岡なのでそろそろ遠征に行きたいですね(笑)」
「地元凱旋!」
屈託のない彼女の笑顔はまさにアイドルそのものだった。
<了>
「2周年記念2ndワンマンライブ ~輝くピンキーリングと歩む道~」
日程 2017年7月25日
ライブ 19:30〜21:00
物販 21:10〜22:10
場所 Zirco Tokyo
チケット購入→予約フォーム
TJ、公式ツイッター
@ToneJewelStaff

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