目次
愛の葉Girlsのやりがい搾取、未成年搾取、性搾取、金銭搾取が全国に飛び火 交わされる地下アイドルの給与についての告発
先日、自ら命を絶った愛の葉Girlsの大本萌景さんの遺族が、元所属事務所に対して訴訟を起こしました。
■ 愛の葉Girls 大本萌景さんの遺族が事務所を提訴 事務所側は「責任ということは考えたこともありません」「1億円請求した事実はない」と主張
それによって全国のマスメディアが、愛の葉Girlsについて大々的に報道。その過酷な労働に対しての給与の低さや、理不尽な「罰金」の存在が明らかになりました。
そして、それを機に#me tooとばかりに地下アイドル達の給与告発が(主に吉田豪さんにDMを送るという謎の手段で)始まったわけですが、これについてもただ「地下アイドル給与低い! 胡散臭い! 搾取だ!」の側面ばかりがピックアップされてるので、ほんとにそうなのかな? という点も含めて、実体験を通して見てきたものなどについて考察してみたいと思います。(全3ページ)
儲かってる地下アイドル 儲からない地下アイドル
当たり前の話ですが、儲かってる地下アイドルもいれば、儲かってない地下アイドルもいます。今回主に声を上げているのは、もちろん儲かっていない地下アイドルです。それは「運営に搾取されているから儲かっていないパターン」と、「純粋に人気がなくて儲かっていないパターン」の2種類があると思います。また、それと別に「グループとして黒字の運営、赤字の運営」がいて、「悪い運営、いい(普通の)運営」がいたりします。まずは、そのあたりから考察。
人気のあるアイドルは儲かる
単純に、儲かるのは人気のあるアイドルです。これも当たり前の話なのですが、人気のないアイドルは儲かりません。給与体系や雇用形態どうのこうの以前の問題として、インディーズやメジャー問わず、人気のないアイドルは儲からないです。ただ、この時点で文句のある人もいると思います。「労働した時間分の謝礼は支払うべきだ!」「労働基準法に~」等の意見が想像できますが、人気のないアイドル(赤字か、それに近い状態のアイドル)について、その点で語るのであれば、そのグループごとの契約書などと照らし合わせてから見ないとなんともいい難い問題です。運営がアイドルと「個人事業主」として契約しているのであれば、売り上げなかったら給与がないのは当たり前ですし、ライブ会場までの交通費もアイドル持ちになる契約の場合もあると思います。
ハロプロの研修生の場合
例えば、ハロプロの研修生だと、レッスン料を払って週数回のレッスンに参加、家族がレッスンや会場への送り迎えをする、(これはあくまで噂ですが)バックダンサーとしてのコンサートへの無償参加等、下積みの時点では「アイドル志望者側がお金を払ってもするもの」という方針のようです。その後、メジャーデビューしたとしても基本給は高くないようなのですが、事務所の持ち物件に寮として住めたり、生写真などの売り上げがボーナスの際に支払われたりして、人気さえあれば年収1,000万を超える子たちが出てきます。
地下でもレッスン料を徴収して活動を行っている団体もありますが、過去に売れたタレントを輩出したという実績がないところは、そもそもその構造が破綻しているような気がします。
不当搾取なのかどうか契約内容を知りたい
「一般の常識と比べて芸能界は闇だ」みたいなことを言う人もいますが、それも契約によって実情は全く違ってくると思うので、とにかく告発の際には契約条件も一緒にオープンにしてもらわないと、それが果たして本当に不当な搾取なのか、交通費が出ないことは契約でそう取りまとめられているのではないか、という疑問がつきまといます。その契約書が理不尽だった場合は「おかしい!」と声を上げることは出来ますが、その契約内容がわからないのに「地下ドルは搾取されている!」「交通費も出ないなんておかしい!」と言われても、「え……じゃあその契約内容はどうなってるんですか……」と、どうしても思ってしまうんです。
今回の愛の葉Girlsは、全ての契約内容が明かされているわけではありませんが、長時間拘束された野菜の販売活動に対しての報酬が少なかったり、明らかに違法である「罰金」の存在はおかしいので、給与に関してはそれらの点を明確に追求できると思います。まず、「不当な契約内容」なのかどうか、そのうえでの「不当な金銭搾取」という風に話を広げていかないと、ただ「地下ドル搾取! 可哀相! 闇!」のイメージをむやみに広げても、なんだかなぁという感じです。
明細もなにもなく手渡しされる、あきらかに少ない給料
ただ、契約の関係しないところでもおかしさのわかる話などはあって、例えば「明細もなにもなく手渡しされる、あきらかに少ない給料」だったり、愛の葉のように「文句を言ったら罰金」「意見したら干される」だったり、中には世間知らずの子供を大人が洗脳の手法を使って恐喝しているようなグループもいます。そういうところは、メンバーが声を上げることすら出来ず(恐怖だったり、知識がなかったり、洗脳されていたりなどで)、そのまま埋もれていってしまってるグループも多いのだと思います。
人気のあるアイドルはどれくらい儲かっているのか
最終的に「搾取されているアイドルの話」をするのですが、その問題をより浮き彫りにするために、シーン全体の「お金」の話から触れていきます。まずは「どんなアイドルが儲かっているのか」について。先程も言いましたが、当たり前ですが儲かっているアイドルは人気のあるアイドルです。例を挙げるなら、まねきケチャやTask have Fun(※)なんかは、物販が大盛況で、出演するだけで一回数十万のお金が軽く動きます。ただ、それは「運営」が儲かっているわけで、そこからどれだけの額が本人に手渡されるかはチェキなどの「バック率」によって変わります。
上記のグループだと、あくまで想像ですが、メンバーの手取りは20万円とかそのへんを下回ることはないのではないかと思います。逆に、メジャーアイドルでもHKTの村川緋杏さんの月給が16万だとバレてしまったり、一概にメジャーアイドルだと給与が高いというわけでもないです。先日解散したバニラビーンズも、メジャーデビュー後も月給1桁台だったなどの話も出ています。ただ、それらはメジャーアイドルなので家賃補助だったりは出たりしているようだし、ボーナスも出てると思うので、ただ単純に額面で比べてもあまり意味はないのかもしれませんが。
下記関連記事の一色杏子さんなんかだと、この事務所でトップクラスに人気があった子なので、ライブ後の物販などで16万円のバックがあっても納得という感じです。
■ 元DISDOL 一色杏子さんが地下ドル時代の給与明細を開示 ライブ収入だけで16万円弱 撮影会やDVDなども含めて月48万円の収入があったことを告白
(※ 一部修正させていただきました)
次のページでは、「地下アイドルはどうやって収入を得ているのか」について紹介します。


最新記事 by チカカラ山本 (全て見る)
- 【インタビュー】「無知で最悪な状況から始まった活動ですが、みんなの応援のおかげでちょっとずつ夢を叶えてきました」《クリエイティブうたのおねえさん》こと限界ソロシンガーアイドル「松山あおい」が出来るまで 2月22日に2ndアルバム&主演アニメDVDも全国リリース! - 2020年2月19日
- 世界唯一無二の奇祭フェス「フェスボルタ」が新高円寺LOFT Xで復活! まずは“リハビリトーク&ライブ” シバノソウ、るなっち☆ほし、小日向由衣、桐原ユリ、胃下舌ミィ、ah-neなどの個性派タレントたちが集う 2月19日(水) 19:30 START - 2020年2月18日
- KUWAGATA☆KIDSが2月8日(土)に関東初ライブ! 今熱いはちゃめちゃユニークアイドル「百鬼乙女」にカリスマクリエイティブうたのおねえさん「松山あおい」、北海道から上京してきた「Tokyo Story」と今冬一番熱い対バン 全組【撮可】で物販たっぷり120分! - 2020年2月6日
時宜を得た記事だと思います。
愛媛の事件はどうかと思いますが、
あれで地下アイドルが全部そうと思われるのも、どうかと思います。
「それなら48や46はどうなんだ?」ですし、
オリコン週間10位に入るグループの事務所はどうなんだ?
です。
アイドル界に、駆け込み寺のようのな組織が必要かもしれませんねl
コメントありがとうございます。この事件を受けてからずっとまさに「アイドル駆け込み寺」という名前の《いのちの電話》のような活動をして、必要があれば仲裁に入ったり、弁護士などを紹介するNPO法人を作りたいなと思っていたのですが、サイトの運営もしながらだとなかなか難しく、実現に移せておりません。機会があれば、ぜひ立ち上げてみたいと思っております。